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. サウンド開発者インタビュー

サウンド担当の開発者に突撃インタビュー!
『武刃街 BUJINGAI』を彩る音の聴き所などを伺いました。

サウンド開発者

■アクションの「動」と中国的な「静」の融合

─── 最初に、今回の『武刃街 BUJINGAI』での役割を簡単にお願いします。

石川
サウンドディレクター兼SE(効果音)制作担当の石川です。
高萩
ゲーム中のBGMの担当をした高萩と申します。


─── 『武刃街 BUJINGAI』のサウンドの制作は、どのようなコンセプトで行われたんでしょうか?

石川
ゲーム自体が武侠映画をモチーフとしたものなので、音の面でも武侠映画の特に最近のものを意識しました。
そこに少しゲーム的なケレン味をプラスしました。やっぱり映画の音はそれだけだと少し地味なので、効果音にせよ、曲にせよ、少しゲーム寄りにデフォルメした武侠というのを念頭に置いてましたね。
高萩
曲は、中国的な雰囲気が醸し出す「静」の部分と、少しSFっぽさを混ぜたアクションの「動」の部分との融合をテーマにしようと、最初に(ゲームの)ディレクターの青木に言われました。ですから一番最初、オープニングデモやステージ1(亡侠街)の曲を作る時、ゲーム的な動きのある部分と中国的なフィーリングをどう融合して格好良くしていくかっていうのをすごく考えていましたね。


─── ムービーのBGMは、ゲームのBGMと雰囲気が少し異なっていますが、それはコンセプトに違いがあるんでしょうか?

石川
ムービーの曲を担当したのは高萩ではなく、『レイフォース』や『レイストーム』などを手掛けた河本圭代がやっているんです。ですから、彼女の色がある程度出ているというところが、ゲーム部分と違うところではあります。でも、ムービーとゲームっていうのは、元々ちょっと趣が違うんですよね。ゲームの方は、アクションゲームなのでわりとイケイケ押せ押せ的なノリですが、ムービーの方はちょっとシリアスな空気が漂っているので、そういう雰囲気を重視したという感じはありますね。
あとは、映像の邪魔にならない程度にあまり派手に(音や調子を)動かし過ぎないのと、中華的な要素を外さないという事に気を付けました。但し、その中華的な部分というのは、ゲーム本編でやっているようなストレートなチャイニーズテイストとは違う、言わばアジアンテイストのような感じにしました。


─── 高萩さんに伺いますが、『武刃街 BUJINGAI』のBGMの作曲を依頼された時の第一印象を教えてください。

高萩
第一印象というのとはちょっと違かもしれないんですけど。(『武刃街 BUJINGAI』の作曲の)話をもらって、その帰りに車を運転していて一番最初に思い付いたメロディがステージ1のメロディなんですね。だから、第一印象はあのステージ1のメロディでした。
実は、それはすぐに曲に反映されなくて、ずっと後になって曲になったんです。最初の印象をちゃんと素直に曲にしてれば、あんなに苦労する必要はなかった(笑)。
一同(笑)。


─── 作曲をするにあたって、一番心掛けた事は何でしょうか?

高萩
コンセプトで言ったように、中華的なものとゲーム的なものの融合っていうのが一つ。その他には、その背景や面のメリハリみたいなものを意識して作りました。
実は、僕は途中までは何も考えてなかったんですけど(笑)、石川ディレクターから「曲の配分として、すごくアクション的なビートの効いた曲と、映画音楽的な大きな流れの曲のメリハリは付けていこう」という助言があったんです。僕は放っておくとどんどん同じような曲を作ってしまう傾向があるので、曲全体のバランスを考え、いろんなバリエーションを付けていくようにしました。


─── 作曲の際に参考にした音楽などがあったら教えてください。

高萩
一番最初に『風雲 ストームライダーズ』(※1)の音楽を参考にして作ったら、ボツになりましたね(笑)。それで、あえて参考曲を出さないという事になったんですよ。


石川勝久
石川勝久
ZUNTATA所属
サウンドディレクション、SE制作担当
代表作
『サイキックフォース』
『ダライアス外伝』
『メタルブラック』 等
石川
そうそう。最初の頃はテーマ曲的なものを作るのにすごく難航して、青木ディレクターも僕らサウンドスタッフもすごく混迷してしまったので、一度レッドさんも含めて話し合おうという事になったんです。で、その時にレッドさんにも「サプライズスタートのシーンに合う参考曲があれば出してください」とお願いしたんですよ。でも、レッドさんは「そうやってイメージを固めてしまうのはあまり良くないんじゃないかな」と言ってくれて「ああ、そうか」と思いましたね。それで「武刃街らしさ」を出した曲、ある意味高萩の持ち味や得意技を活かした曲でやってみようと思ったんです。それでできたのが、サプライズスタートの後に流れるオープニング曲です。


─── 高萩さんの持ち味・得意技っていうのは、一言で言うとどういう感じのものなんでしょうか?

高萩
クサいところ(笑)。ベタベタと言うか。
石川
クサいとまでは言わないけど、わかりやすさっていうのはあるね。わかりやすいだけに伝わってくる迫力みたいなところはあるかな。
高萩
くすぐったいですね(笑)。


─── 高萩さんご自身から見て、今回の音楽の出来はいかがですか。また、一番のお気に入りの曲はどれですか?

高萩
やっぱりステージ1の曲が一番出来が良かったとは思ってます。あれは、先ほどお話したエピソードからして運命的なものも感じるんで、すごく気に入ってますね。それ以外で気に入っているのは、(羅寒院の)雪山のシーン。あそこはすごい雪山チックな曲に仕上がって、予想外に良かった。ステージ1とかオープニングっていうのは、ちゃんと「がんばって良い曲を作った」っていう感じなんですけど、雪山はポンと作ったら「あ、意外と良くできた」みたいな感じですね。

 ※1…2000年に日本でも公開された香港映画。

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■「気持ち良さ」を追求したSE

─── 石川さんがSEの制作で一番こだわった部分はどこでしょうか?

石川
『武刃街 BUJINGAI』が始まる時に、ディレクターの青木とも話した事なんですが、(『武刃街 BUJINGAI』は)やっぱりアクションゲームであると。で、激しく打ち合ったりするゲームであると。だから、壊したりとか斬ったりとかが多いので、その時の連続した音の感じが気持ちの良い音になるように、という指示がありました。例えば、斬ったなら「気持ちよく斬った」、壊したなら「気持ちよく壊した」という感じが出るように、ですね。そこは心掛けたんですが、結構大変だったかな。それは単発で音を聴いていてもわからないんですよ。やっぱりある程度作ってみたら、ゲームに入れてみて「ああ、違うなあ」とか「意外とイイ!」っていうのがあったりするので。言うのは簡単だけどやるのは難しかったですね。


─── 剣戟の時の音は、本当に気持ち良い音になっていると思いますが、難しかったんですか?

石川
実はとても紆余曲折したところなんです。最初、剣戟のシーンは剣を打ち合うだけで4種類くらいの音があったんですけど、青木と二人で聴いたところ、ちょっとチグハグな感じがしたんですよ。打ち合って気持ち良い感じがなくって「ちょっとこれは違うね」と。僕もそこで違和感を感じたのは良いんだけど、何がどう違うのかがわからなかった。
それで、武侠映画の剣戟のシーンだけを死ぬほどサンプリングして聞いてみたんです。すると、実はそんなに色々な種類が鳴ってるわけじゃなかったんです。いっぱい音を鳴らせばバリエーションがあって気持ち良くなるような気がしちゃうんだけど、自分が聞いて「気持ち良いな」と思える武侠映画のシーンは、打ち合う音そのものは種類がそんなにいっぱいなかった。但し、音の強弱が付いてるんです。「カーン!」だの「カン」だの。それが上手く絡み合って、気持ち良い音になっているんですね。重要なのは種類じゃなくて強弱だっていうのがそこでわかって、それで音の種類そのものをちょっと減らして、代わりに音量の格差を付けた音を何個か用意しました。で、それをある程度ランダムっぽく呼び出してもらったら、これがアタリだったんですね。
これは、サウンド的に言うとわりと気付きにくいポイントだったのかもしれない。今回は、青木から色々な注文や細かい指示があって、それによって気付かされるポイントが結構ありましたね。


─── SEで一番注目して欲しい音はなんでしょうか?

石川
今回は自分的にもいろんなバリエーションのサウンドが作れたと思っているので、お気に入りは多いんですけど、特にお気に入りなのが2面(聖淋境)の竹薮の竹を斬る音。あれは竹を斬る「シュパッ」っていう音に、ししおどしの「かぽーん」っていう音を合わせたんです。だから、連続で斬ると「かぽかぽかぽーん」みたいな、ちょっと特殊な音がします。それは、さっき言った「連続する時の音の楽しさ、気持ち良さ」っていうのをやった結果なんですけどね。
あとはさっきも話題に出た剣戟ですね。
高萩
剣戟良いですよね。
石川
苦労しただけあって、派手で気持ちが良い音になってます。


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■『武刃街 BUJINGAI』は苦労ばかり?

─── サウンド制作の中で、一番大変だった事や苦労話などあったら教えてください。

石川
苦労話ばっかりですね、『武刃街 BUJINGAI』は(笑)。
高萩
では、最終面(蠢鬼界)の雷との最終戦の曲の苦労話を一席(笑)。
石川
そう、あの曲はゲーム的にも最後の面なんですが、できたのも実は一番最後という(笑)。
高萩
東京ゲームショウに出てる頃にまだできてなかったですからね。
石川
あの頃、ゲームはほぼできていたにもかかわらず、あの曲だけできてなかったんです。
高萩英樹
高萩英樹
ZUNTATA所属
ゲームBGM担当
代表作
『バトルギア2』
『サイキックフォース2012』
『サイキックフォース』 等
高萩
ゲームショウ会場で青木に会うのが恐くて僕は逃げてました(笑)。
一同(笑)。
高萩
今回はテイク(やり直し)が大体2、3くらいなんとかOKをもらってて、5とか6まで行ったのもオープニングデモだけだったんですよ。でも、最終面だけはテイク8くらいまで行っちゃいましたね(笑)。それは、最後の重要なシーンの曲だからしょうがないなって気はするんですけど。
実は、それよりも大変だったのがレコーディング当日。曲ができて、やっとテイクがとれて、さあレコーディングだっていう事になったその日の朝にパソコンが壊れまして(笑)。レコーディング直前で、もうどうしようかと思いましたね。
石川
初めて聞いた。俺は知らなかった!
高萩
言ってなかったんです(笑)。冷や汗もんでした。なんとか直ったんですけど、その日の朝はすごい大変だったんです。


─── SEでの苦労話はありますか?

石川
大変だったのは、さっきお話した「気持ちの良い音」を作るというのが一つ。あとは、キャラの動きに対する音が多いというのがありました。『武刃街 BUJINGAI』は、自分が今までにやってきたゲームよりも圧倒的にキャラや動きが多いので、多彩な音付けをしなくてはいけないというところが大変でしたね。作らなくちゃいけない数が多いっていうだけではなくて、音同士が似ないようにしなければいけないというのもあって、さらにその音が何の音だかわかるようにしなくてはいけないわけです。
僕自身の音の作り方として「その音そのもの」を作るのはあまり好きではないんですよ。例えば、ガラスを割った音なら「ガシャーン」なんだけど、ただそれだけだと誰でも作れちゃうんで面白くない。もちろん、ゲームやシーンによっては「そのもの」が欲しい時もあるから、そういう場合はその通りに作るんですが、僕としては「ガシャーン」に何かを足してちょっと独特な音にしてみたいなと思うんです。クセみたいなものなんですけどね。
ある意味『武刃街 BUJINGAI』みたいなタイプのゲームは、素直に(音を)付けていけばもっと楽にできると言えます。でも、それじゃあ僕がやる意味がないし、(その音が)『武刃街 BUJINGAI』の音である意味もない。だから、『武刃街 BUJINGAI』という世界観を持つアクションゲームを成立させるために、独特な音を考えなきゃいけないし、考えたかったわけです。そうしたら、(作る音の)数が多いとそれだけ考えなきゃならないので大変、という事になっちゃいました。


─── ムービー音楽での苦労話などはありますか?

石川
『武刃街 BUJINGAI』のストーリーは、単純なようでいて実は深い心の葛藤みたいなものが含まれているんです。脚本を読んだだけでは「果たしてこのキャラはどういう心情にいるのか?」がわからないシーンが結構あるんですよ。それに、ムービーの監督は事前にそれほど細かい指示をしない人だったんですよね。おおまかな雰囲気だけを伝えた後は、作曲家の自由な発想にある程度ゆだねるみたいな。なので、シーンの意味を自分たちで想像して汲み取っていかなくてはいけなかったので、そこが大変でした。しかも、その段階でのムービーにはまだ背景も入ってなければ表情も入ってないので、本当に想像だけでやるという感じで。
高萩
二徹(※2)事件もありましたね(笑)。
石川
あったねえ。とりあえず曲の方は、シーンの尺に完全に合わせて、盛り上がるところでは盛り上がって、悲しいところでは悲しい感じになるように用意したわけです。そして迎えたMA(※3)の日、こちらで作ったBGMにSEとかが入っていくわけですが、同時にコンテを切った監督の内に秘めた意図みたいなものも入ってくるわけです。そこでこっちと監督で揉めて揉めて、その晩は徹夜でしたよ(笑)。
実はその前日も、ムービーのBGMのレコーディングを徹夜でやってたんです。その後そのままMAに行って、その日の夜には全部終わるかなと思ってたんですけど、気が付いてみたら終電が終わってて、結局MAが終わったのがその次の朝でしたね。二徹で死ぬかと思った(笑)。

 ※2…二日連続で徹夜する事。
 ※3…映像にBGMやSEを合わせる作業。ムービー作成の最終段階。

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■完成度は高得点

─── 『武刃街 BUJINGAI』のサウンドの完成度についてはどう感じていますか?

高萩
BGMの全体的な出来は、モノ的に自分ではかなり高得点、80点以上90点近辺かと思っているんです。ただ、作成に苦労してしまった分と、周りに迷惑をかけてしまった分を引くと、もうちょっと下がっちゃうかなっていう感じですね。


─── サウンドディレクターとしてはいかがでしょう?

石川
そうですねえ。点数をつければ、90点と言いたいけど80点かな。やっぱり色々至らないところもあったし、ちょっと後半は期間に追われたというところがあるので。あと、もう少しゲームの中身にサウンドが入り込めたんじゃないかっていう気がするんですよ。今回、ミドルウェアなどの新しい技術を導入してるので、それに合わせて何かもうちょっと面白い事ができたんじゃないかなっていう意識がある。
いつも、やっている時や終わった瞬間は100%、100点だなって思うけど、終わってしばらく経ってみると「もうちょっと何か面白い事ができたような気がする」と思っちゃいますね。逆にそうやって思えるところが良いのかなっていう気もしますけど。


─── では、次回チャレンジしてみたい事はありますか?

石川
やっぱり、サウンドとゲームは別々なんじゃなくて、同列のものであると思うんです。ゲームがあってその上に音をかぶせるのではなく、ゲームの進行や展開にもっとサウンドが密接に関わっていける事ができれば良いんじゃないかと思います。次回はそういう事ができたら良いですね。
高萩
BGMだと、オーケストラっぽい曲がどうしても多くなるんですが、改めて聴くと「オーケストラの音はもっと良い音にできたな」とちょっと反省してまして。今、別の仕事をやってまして、「あ、これは『武刃街 BUJINGAI』の時に使ってれば良かったな」というのがあったんですよね。そういう事もあって、次はオーケストラ関係の音をもっと良い音にしてみたいな。別に生(楽器の音)を録るとかっていう意味ではないんですけど、もっといろんな迫力を付けてみたいなと思います。
石川
オーケストラ系は、実は高萩の得意ジャンルではなかったんですよね。今までは、わりとイケイケみたいな曲が多かったから。
高萩
そうなんです。だから、今度はそこをちょっと強化してみたいなと。


─── 最後に、ユーザーへのメッセージをお願いします。

石川
ゲームをする時はできれば大きい音で、住宅事情的に難しければヘッドホンをかけて、音量を上げてやって欲しいかな。僕は普段ゲームをやる時あまりヘッドホンをかけないんですが、たまにヘッドホンをかけて(ゲームを)やると、「あ、こんな音も鳴ってたのか」と思う事があるんです。新たな発見があるかもしれないので、是非『武刃街 BUJINGAI』をやる時はヘッドホンをかけてやって、僕らのちっちゃなこだわりを聴き取って欲しいかな、なんて思います。
高萩
ヘッドホンは良いですね(笑)。
とにかく最後までプレイして、曲を全編聴いて欲しいなと思います。ムービーの曲とゲームの曲の聴き比べとかしたりしてね。そして、是非感想をお寄せください。


─── ありがとうございました。

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